このページでは、タスクの自動化、テクニカル メトリック レポート、およびコネクタのテストに使用できる、ABAP エージェントパッケージに含まれているプログラムについて説明します。

HTTP SDK の自動再起動

HTTP SDK インスタンスはシステムの再起動時に終了でき、デフォルトでは自動的に起動しません。HTTP SDK のインストール方法に応じて、このプロセスを自動化する方法は 2 つあります。

  1. サポートされている OS の SAP アプリケーションサーバーに HTTP SDK が自動的にインストールされた場合。
    1. ABAP エージェントは SAP レポート /DVD/APPD_REGENERATE_AGENTS.  とともに配信されます。このレポートは、HTTP SDK インスタンスのステータスを確認し、現在停止しているインスタンスを起動します。[Force start all agent] パラメータをオンにすると、現在のステータスに関係なく、すべての HTTP SDK インスタンスが起動または再起動されます。
    2. このレポートは、トランザクションコード SM36 を使用して、(SAP システムの起動後にトリガーされる)SAP_SYSTEM_START イベントを待機する起動条件付きの定期的なバックグラウンドジョブとしてスケジュールできます。永続化するには、[Periodic job] チェックボックスをオンにしてください。

      推奨されるジョブ名は APPD_AGENT_REGENERATE です。リリース 22.11.0 では、トランザクション /DVD/APPD_CUST での統合のアクティブ化時にバックグラウンドジョブ APPD_AGENT_REGENERATE が自動的にスケジュールされます。ローカル HTTP SDK がインストールされている場合、このジョブにより、SAP アプリケーション サーバー ホストが再起動されるたびに HTTP SDK が自動的に開始されます(イベント SAP_SYSTEM_START によってトリガーされます)。
    3. スケジュールされたジョブは、バリアントを使用してカスタマイズできます。使用可能なパラメータ:

      • [Start stopped HTTP SDK]:チェックすると、レポートはまだ起動していないか、または t-code /DVD/APPD_STATUS を使用して手動で停止された HTTP SDK インスタンスの起動を試行します。

      • [Restart running HTTP SDK]:チェックすると、レポートは現在実行中の HTTP SDK インスタンスを再起動します。

      • [Number of attempts]:レポートは、関連するすべてのインスタンスが実行されるまで、HTTP SDK インスタンスの起動または再起動を指定回数試行します。

  2. サポートされていない OS で SAP アプリケーションサーバーが実行されているため、HTTP SDK をリモートの Linux 64 ビットサーバーに手動でインストールした場合。
    1. SDK Manager には、SDK Manager プロセスの終了時にアクティブであったすべての HTTP SDK インスタンスを再起動する組み込み機能があります。
    2. SDK Manager のスタートアップスクリプトは、SDK Manager および HTTP SDK インスタンスが実行されているリモート Linux 64 ビットサーバーの OS スタートアップ スクリプト リストに追加できます。正確な手順は、使用している Linux のバージョンによって異なります。

HTTP SDK ハートビート

HTTP SDK インスタンスは、一部のトラフィックが流れている場合にのみ、コントローラ上でアクティブとして表示されます。SAP システムで大量のトラフィックが生成されない場合、またはシステムで SNP CrystalBridge® Monitoring が起動していない場合、[Agent status] インジケータが誤解を招く可能性があります。この制限を克服するために、SAP レポート /DVD/APPD_AGENT_HEARTBEAT を 1 分ごとに実行される定期的なバックグラウンドジョブとして手動でスケジュールできます。

SAP レポートは、SAP レポートが実行される SAP システムの各 SAP アプリケーションサーバー上の HTTP SDK インスタンスを通じて、メトリック「Application Infrastructure Performance -> <TIER> -> Individual Nodes -> <NODE> -> Custom Metrics -> SAP -> Heartbeat」を送信します。これにより、コントローラの [Agent status] フィールドで正しい値を表示するのに十分なトラフィックが生成されます。

SNP CrystalBridge® Monitoring ライセンスの統計情報

SNP CrystalBridge® Monitoring ライセンスの使用状況は、通常、個々の SAP ABAP システムの SAPGUI でのみ確認できます。プログラム /DVD/APPD_DI_LICENSE_METRICS は、定期的なバックグラウンドジョブとして手動でスケジュールでき、次の階層レベルのカスタムメトリックをコントローラにレポートします。

  • Insights License -> License is installed
  • Insights License -> License is valid
  • Insights License -> Licensed server count
  • Insights License -> Servers in use
  • Insights License -> Days remaining

これらのメトリックは、メトリックブラウザを使用してメトリックパス「Application Infrastructure Performance -> <TIER> -> Individual Nodes -> Custom Metrics -> SAP」で確認できます。 これらのメトリックは、システムにインストールされている SNP CrystalBridge® Monitoring ライセンスの有効性、有効期限、および現在の使用状況を反映しています。


既存のお客様のダッシュボードの破損を防ぐため、このプログラムによって生成されたカスタムメトリックには、SNP CrystalBridge® Monitoring 名は適用されません。

コネクタのテスト

次のプログラムは、テストおよびトラブルシューティングを目的としています。

ビジネス トランザクション テスト

プログラム /DVD/APPD_BT_TEST は、ビジネス トランザクション レポート機能の基本的なテスト、つまり、ABAP エージェント、HTTP SDK、およびコントローラ間の接続の検証を目的としています。このプログラムを使用して、すべてのコンポーネントが正しく設定され、ABAP エージェントが正常にビジネス トランザクション データをコントローラにレポートできるかどうかを検証できます。

メトリックテスト

プログラム /DVD/APPD_METRIC_TEST は、マシンエージェント HTTP リスナーアダプタのメトリックレポート機能のテストを目的としています。メトリックブラウザパス「Application Infrastructure Performance -> <TIER> -> Individual Nodes -> <NODE>」で、レポートされるメトリック値と名前を指定します。

アダプタは、ABAP エージェントのカスタマイズ(トランザクション/DVD/APPD_CUST)からのホストとポートの値を使用できます。または、ホストとポートの値をプログラムで直接指定できます。

イベントテスト

プログラム /DVD/APPD_EVENT_TEST は、アプリケーションイベント API アダプタをテストするために使用されます。イベントのシビラティ(重大度)、イベントタイプ、およびイベントサマリーを設定できます。最大 4 つのイベントのプロパティまたは詳細を、次の順序で指定できます。

  1. プロパティキー
  2. 詳細キー
  3. プロパティ
  4. 詳細値

HTTP SDK またはマシンエージェントイベント API(アダプタ)を選択します。マシンエージェント HTTP リスナーのホストおよびポートのパラメータは、メトリックテストプログラムと同じ方法でカスタマイズできます。