このページでは、コントローラのデータストレージを構成および管理する方法の概要を説明します。
コントローラのデータストレージについて
コントローラは、次のような情報を格納するために永続的なデータストレージを必要とします。
- アプリケーションの設計(ビジネストランザクション、ティア、ポリシーなどに関するすべてのメタデータ)
- アプリケーションのパフォーマンス履歴(メトリックデータ)
- トランザクションのスナップショットデータとイベント
- 発生したインシデントの履歴(解決済みのインシデントと未解決のインシデントの両方)
コントローラのデータディレクトリの場所
デフォルトでは、AppDynamics コントローラは、ストレージメカニズムとして MySQL を使用します。コントローラは、MySQL インスタンスをコントローラとバンドルします。インストール時に、Enterprise Console はデータベースに必要なテーブルとアーティファクトを作成します。
デフォルトでは、データベースのファイルおよびデータは、<controller_home>/db
に保存されます。
データベースユーザーのパスワードの管理
Enterprise Consoleは、コントローラがデータベース関連の操作を実行するためにデータベースにログインする際に使用するユーザーアカウントを作成します。アカウントのユーザー名は "root" で、パスワードはコントローラのインストールプロセス中に Enterprise Console に指定したパスワードです。
コントローラはデータへのアクセスを試みる際、データベースユーザーのパスワードを以下のソースから記載されている優先順位で読み取ります。
MYSQL_ROOT_PASSWD
環境変数から- コマンドラインプロンプトへのユーザー入力から
環境変数にパスワードを保持しない場合は、データベースへのアクセス、データベースの起動、データベースの停止、またはデータベースへのログインといった操作を実行するたびに、コマンドラインプロンプトに応えてパスワードを入力する必要があります。
コントローラのデータディレクトリの移動
インストール後にデータディレクトリを新しい場所に移動できます。この操作は、コントローラのインストール時にディスク容量が不足していた場合などに必要となる可能性があります。
シンボリックリンクを使用している場合は、シンボリックリンクをコントローラのルートインストールディレクトリ外に作成し、コントローラをインストールした後で、その新しいボリュームにデータディレクトリを移動する必要があります。
Warning:<controller_home>/db/data
にファイルシステムをマウントしないでください。Enterprise Console は、コントローラのアップグレード時に、このデータディレクトリを data_orig
に移動します。Enterprise Consoleがこの移動を完了できない場合、アップグレードは失敗します。
Enterprise Console GUI のコントローラの [Database Configurations] ページで datadir
パスも更新できます。
コントローラのデータディレクトリを再配置するには
- コントローラとそのデータベースを停止します。詳細については、コントローラの起動または停止を参照してください。
<controller_home>/db/db.cnf
ファイルで以下のプロパティを変更し、データディレクトリの新しい場所を指定するようにします。
datadir
tmpdir
log
slow_query_log_file
CODE
既存のデータディレクトリ <controller_home>/db
を新しい場所にコピー(または移動)します。
たとえば、Linux 上でデータをコピーするには、以下のようにします。
cd <controller_home>/db/
cp data <new-location>
CODE
- コントローラを起動します。詳細については、コントローラの起動または停止を参照してください。
database.log
および server.log
でデータベース接続に関連するエラーがないか確認します。