Enterprise Console は、コントローラとイベントサービスのインストーラです。これを使用して新規または既存のオンプレミス AppDynamics プラットフォームやコンポーネントのライフサイクル全体を管理できます。このアプリケーションには、GUI とコマンドライン インターフェイスが備わっています。

Enterprise Console のホストがダウンしても、コントローラ、イベントサービス、または高可用性(HA)のペアに影響が及ぶことはありません。これらのサービスは、アプリケーションとは独立して実行し続けます。その後、コンポーネントに影響を及ぼさずに、新しいEnterprise Consoleのホストですべてのプラットフォームを検出できます。

Enterprise Console を利用できないと、プライマリコントローラに問題がある場合に HA ペアの自動フェールオーバー オプションも利用できません。そのため、Enterprise Consoleホストを正常な状態に保つことが重要です。

Enterprise Console詳細

Enterprise Consoleには管理機能、インストールモード、およびライフサイクルモニタリングが含まれます。

Enterprise Consoleの機能

Enterprise Consoleでは、以下のタスクを実行することができます。

 Multi-Platform Management

  • アプリケーションを使用した複数プラットフォームの同時管理

    Enterprise Consoleでは、プラットフォーム内のすべてのサービスで、メジャーバージョンの番号が同じである必要はありません。

  • コントローラ、イベントサービス、およびMySQLノードの発見、インストールおよびアップグレード

    Enterprise Console を使用する場合、Windows のリモート操作がサポートされていないため、Windows マシンのすべてのサービスを Enterprise Console ホストにインストールする必要があります。

HA-Lifecycle Management (Available on Linux only)

  • CLIベースのHAツールキットやsudo権限を使用しないHAペアライフサイクルの管理
  • フェイルオーバー管理の実行

Other Features

  • コントローラとイベントサービスライフサイクルの管理
  • GUIおよびCLIサポートの利用
  • アプリサーバーとデータベース構成の管理

プラットフォームのインストールモード

プラットフォームのデプロイに使用できるインストールには、次の2種類があります。

Express Install

  • 新規コントローラインストールのもっとも迅速な開始方法
  • 単一ホストにおけるコントローラおよび埋め込みイベントサービスのインストール

カスタム インストール

  • コントローラとイベントサービスのユーザー入力とインストール/データディレクトリを構成およびカスタマイズします。
  • 分散設定における単一またはHAコントローラとスケールアップされたイベントサービスのインストールまたはアップグレード

    コントローラ HA ペアおよびイベントサービスクラスタは、Enterprise Console を介して Windows マシンで利用できません。Windows では、アプリケーションでリモート操作がサポートされていないためです。

    マルチノードイベントサービスクラスタを、手動でインストールやアップグレードすることができます。Windowsにおけるイベントサービスのインストールまたはイベントサービスの手動アップグレードを参照してください。

  • 1つ以上のイベントサービスノードの追加
  • 以前のプラットフォームサービスの発見とアップグレード

ライフサイクルモニタリング

[Platforms] ページには、すべてのプラットフォーム、そのステータス、およびそのサービスのステータスが表示されます。表示するプラットフォームを選択すると、画面が複数のタブに分割されます。

Hosts

ホストは、プラットフォームに接続される実際のハードウェアデバイスです。このタブでは、ホストの認証情報の追加や削除、変更を行えます。

Windows Enterprise Consoleマシンでは、ホストは追加できません。

Controller

[Controllers] ページには、コントローラおよびその MySQL ノードのプライマリロールとセカンダリロールが表示されます。コントローラおよび MySQL ノードのライフサイクル操作全体を、ここで実行できます。また、プライマリマシンの IP である外部 URL を表示することもできます。また、コントローラの正常性ステータスも利用できます。HAペアを作成する場合はセカンダリコントローラを追加し、フェイルオーバーをトリガーする場合はHAフェイルオーバーを開始することができます。また、コントローラの起動や停止、コントローラおよび MySQL のアップグレードなども実行できます。

Events Service

[Events Service] ページには、イベントサービスクラスタが表示されます。イベントサービスクラスタは、1 つから 3 つのマシンを使用して作成できます。ここでも、実行できるオペレーションのライフサイクル全体があります。

Credentials

認証情報は、ホストのユーザー名と秘密鍵です。これらは、SSH接続や、システムユーザー名と秘密鍵を使用したホストへの接続に必要です。

Jobs

プラットフォームで実行するジョブはすべて、[Jobs] ページで確認できます。これは、ジョブを追跡したり、失敗したジョブを確認したりするのに有効な方法です。

Configurations

構成は、インストールをカスタマイズできるために重要です。Enterprise Consoleの構成設定は、プラットフォーム設定、コントローラ設定、イベントサービス設定の3つのカテゴリに分類されます。

[Controller Settings] には、構成可能性が最も高い設定が含まれています。[Controller Settings] の [AppServer Configurations] では、このポイントから開始できるすべてのドメイン構成を表示したり、ポートを構成したりすることができます。Database Configurationsでは、 MySQL設定を編集できます。そのため、マシンの調整は不要で、あらゆる操作をConsoleから実行することができます。

Enterprise Consoleプラットフォームのアーキテクチャ

Enterprise Consoleでデプロイおよび管理できる5つのプラットフォームの例を、以下の図に示します。

Enterprise Consoleを使用してエンドユーザーモニタリング(EUM)サーバーをインストールすることはできません。代わりに、対話型GUIまたはコンソールモードをサポートするパッケージインストーラか、サイレント応答ファイルインストールを使用する必要があります。

Enterprise Console Platforms Architecture

デプロイのスケール、要件、および使用している製品によっては、各自のアプリケーション環境に図で示されているコンポーネントのサブセットが含まれている可能性があります。

AppDynamics オンプレミスドキュメント」には完全なオンプレミス展開のアーキテクチャ図が、「PDF」にはより詳細なオンプレミスのアーキテクチャ図があります。

Enterprise Consoleのプラットフォーム

下の表に、上記のプラットフォームにおけるコンポーネントの連携を示します。

プラットフォーム番号関与するコンポーネント
プラットフォーム1
プラットフォーム 1 は、ローカル イベントサービスおよび 6 EUM Server を含む単一 コントローラを示しています。ローカルイベントサービスは、APIストアを含みます。
プラットフォーム2
プラットフォーム 2 は、リモートの単一ホストの イベントサービスと、6 EUM Server がある、単一の コントローラを示しています。リモートのイベントサービスにはAPIストアが含まれており、マシンを2台以上追加することでクラスターにまで拡張することができます。
プラットフォーム3
プラットフォーム 3 は、リモートの イベントサービスクラスタと 6 EUM Server がある、HA コントローラペアを示しています。イベントサービスクラスタには、すべてのノードでAPIストアが含まれます。クラスタには、3つ以上のノードが含まれている必要があります。
プラットフォーム4

プラットフォーム4 は、単一モニタリングコントローラを示しています。このコントローラは、 アプリおよびマシンエージェントからの接続 F を介したメトリックの受信により、プラットフォーム 3 で HA ペアをモニタリングします。詳細については、高可用性デプロイの管理を参照してください。

プラットフォーム5

プラットフォーム5は、単一の共有イベントサービスを示しています。共有イベントサービスは、他のプラットフォームから複数のコントローラに接続し、必要な保守と費用を最小限に抑えることができます。詳細については、イベントサービスのデプロイを参照してください。

Enterprise Consoleプラットフォームの接続

プラットフォームの上記コンポーネント間におけるトラフィックのフローの一覧と説明を、以下の表に示します。

接続
送信元
送信先
トラフィック
プロトコル
デフォルトポート
A

1 Enterprise Console

コントローラ

コントローラの正常性チェック/コントローラ管理

HTTP


8090


HTTPS8181
B
1 Enterprise Console
イベントサービス

イベントサービス API ストア

イベントサービスの正常性チェック/イベントサービス管理

HTTP(S)

9080




イベントサービス API ストア管理HTTP(S)9081
C

コントローラ

6 エンドユーザーモニタリング(EUM)サーバー

EUMメトリックデータHTTP

7001


HTTPS7002(デモモードのみ)
D
コントローラ
イベントサービス
イベントサービス API ストア分析イベントデータHTTP(S)9080



イベントサービス API ストア管理HTTP(S)9081
E
6 EUMサーバー
イベントサービス
イベントサービス API ストアEUMイベントデータHTTP(S)

9080




イベントサービス API ストア管理HTTP(S)9081
F
アプリとマシンエージェント

コントローラ

メトリックデータのモニタリングHTTP8090
HTTPS8181
G
MySQLデータベース
MySQLデータベース
MySQLデータベース複製TCP3388

コントローラからEnterprise Consoleへの通信が行われません。