このトピックでは、AppDynamicsでの自動アラートおよび対応の機能について説明します。

AppDynamicsでのアラートと対応について

AppDynamicsは、ユーザーが構成した条件やイベントに基づいて、通知を生成したり、その他のアクションを行ったりすることができます。アラートと対応の機能を使用すると、問題の存在を発生と同時に検知できるだけでなく、アラートを警告の条件で定義しておくことで発生前に検知することもできます。

AppDynamicsでは、ポリシーは、アラートと対応の機能の中心構成の役割を果たします。ポリシーは、1つ以上の条件やイベントと、その条件が満たされるかイベントが発生した際に実施する処置とを結び付けます。

条件またはイベントは正常性ルールによって定義され、アクションには実行するステップがカプセル化されます。AppDynamicsにはあらかじめ設定された正常性ルールがいくつか付属しているため、すぐに使用することができ、かつ独自のルールを作成する際のサンプルとして使用できます。たとえば、組み込みの正常性ルールは、「ビジネストランザクションのエラー率が標準よりかなり高い」かどうかや「CLR ガベージコレクション時間が長すぎる」かどうかをテストします。詳細については、「デフォルトの正常性ルール」を参照してください。 

アクションでは、アラートの送信や、診断または修復のアクションの実行といったイベントへの対応を自動化します。通知用のカスタム URL を作成する方法については、「アラートと応答APIを参照してください。

ポリシーは検出した条件への対応をリアルタイムで生成しますが、メールダイジェストはシステムでそれらの条件やイベントに関するメールメッセージを定期的に生成します。 

メールまたはSMSやメールダイジェストを使用する通知アクションでは、コントローラ用にSMTPサーバーが設定されている必要があります。「メールサーバーの有効化」を参照してください。

権限

通常、ユーザーごとに持っているロールが異なれば、それらのユーザーがセットアップして使用するアラートと対応の機能も異なります。アカウントレベルで付与できる権限もあれば、アプリケーションレベルで、あるいはティアレベルでさえ、付与できるものもあります。

アカウントレベルの権限

メールテンプレート、HTTP 要求テンプレート、およびメール/SMS 構成は、アカウントレベルの機能です。これらの機能の範囲は、AppDynamics アカウント全体、およびそのアカウント内のすべてのアプリケーションです。必要な権限を含むアカウントレベルのロールを持つユーザは、アカウントレベルのテンプレートと構成を作成して管理できます。これらの権限は、事前定義された Account owner ロールに属します。Account owner は、これらの権限の一部を含むカスタムロールを作成することもできます。たとえば、Account owner はメール テンプレート マネージャ ロールを作成し、そのロールをユーザに割り当てることができます。これにより、そのユーザはメールテンプレートを作成および変更できます。

これらのアカウントレベルの機能を作成、管理、構成するには、それぞれ次の権限が必要です。

  • メールテンプレートの構成
  • HTTPリクエストテンプレートの構成
  • メール/SMSの構成

アプリケーションおよびティアのレベルの権限

ポリシー、正常性ルール、アクション、メールダイジェストは、アプリケーションレベルまたはティアレベルの機能です。これらの機能は、アプリケーションか、それらが作成されたティアを対象範囲としています。これらの機能を作成、管理、および設定するには、それぞれ次の権限が必要です。

  • ポリシーの構成:ポリシーの作成、編集または削除
  • 正常性ルールの構成:正常性ルールの作成、編集、削除
  • アクションの構成:エージェントプロパティUIのアクションの作成、編集、または削除
  • アクションの構成:メールダイジェストの作成、編集、または削除

アラートと対応のポリシー構造

次の図に示すように、ポリシーは、イベントトリガーとそれらのトリガーに応えて実行するアクションとを突き合わせます。 

プラットフォーム全体にわたるアラートと対応

アラートと対応の機能は、Infrastructure Visibility、Analytics、EUM、およびApplication MonitoringといったAppDynamicsの各製品をまたがって機能します。Application Monitoringがその性質上最も幅広い構成とユースケースのオプションを提供しているため、このドキュメントでは特に記載のない限り、Application Monitoringの観点でこの機能を説明しています。特定の機能は、その説明にあるとおり、他の AppDynamics 製品で機能しないことがあります。 

その他使用上の注意は以下のとおりです。

  • アプリケーション用のポリシートリガーは、正常性ルール違反のイベントにすることも、その他のタイプのイベントにすることもできます。データベースおよび分析用のポリシートリガーは、正常性ルール違反のイベントでなければなりません。
  • アプリケーション用に作成できるアクションのタイプには、通知、診断、修復、HTTPリクエスト、カスタムアクション、およびクラウドオートスケールが含まれます。データベースまたは分析用に作成できるアクションのタイプは、通知、HTTPリクエスト、およびカスタムアクションに限られます。
  • 正常性ルールの影響を受けるエンティティのタイプは、アプリケーションと比べると、データベースと分析ではより制限されています。
  • ブラウザ合成イベントでトリガーされるポリシーの使用に関しては、「ブラウザ合成モニタリング」の「アラートと合成」を参照してください。