このページでは、バックエンドとしても知られる、リモートサービスに利用できるモニタリングの情報について説明します。  

リモートサービスとは

リモートサービスとは、アプリケーションサーバの外部に存在し、アプリケーションにサービスを提供するプロセスです。リモートサービスの例には、Web サービス、メッセージキュー、キャッシュサーバなどがあります。 

AppDynamics は、インストゥルメント化されたノードがアウトバウンドリクエストを出すと、多くの一般的なタイプのリモートサービスを検出します。アプリエージェントの種類別のバックエンドサポートの詳細については、「アプリケーションサーバーエージェントのインストール」にある、ご利用のエージェントタイプに適したサポート環境ページ(「Java対応環境」など)を参照してください。 

サービスへのコールパフォーマンスをモニタリングするには、まずコールがリモートサービスリストに表示されていることを確認します。リモートサービスリストへは、アプリケーションメニューの [Remote Services] リンクをクリックしてアクセスします。リストに表示されるべきサービスがない場合は、「バックエンド検出ルール」説明されているバックエンド検出構成が、ご使用の環境に適切に構成されていることを確認してください。

リモートサービス情報のモニタリング

AppDynamics では、リモートサービスへのコールの全体的なパフォーマンスと、特定のビジネストランザクション内から行われるコールのパフォーマンスをモニタリングします。 


リモートサービスのメトリックは、コントローラUIの次の場所に表示されます。

  • ビジネストランザクションメトリック:特定のサービスにおける特定のビジネストランザクションのメトリックがトランザクションフローマップに表示されます。
  • ティアメトリック:ティアから指定されるサービスへの全コールのメトリックがティアフローマップに表示されます。
  • リモートサービスメトリック:アプリケーションフローマップおよびリモートサービスダッシュボードに、アプリケーション全体(すべてのビジネストランザクション)における全体的なリモートサービスのメトリックが表示されます。

リモートサービスの正常性ルール

正常性ルールを作成して、リモートサービスの通常の動作または予想される動作を表すパラメータをモニタできます。パラメータは、平均応答時間などのメトリック値に依存します。リモートサービスのパフォーマンスが正常性ルールで設定した条件に違反すると、正常性ルール違反となります。アラートで違反を通知し、違反イベントを軽減するための修復アクションを開始します。アラートを見逃さないようにしたり、誤ったアラートを受信しないようにするには、アラートを適切に設定することが重要です。「アラート感度の調整」(AST)により、適切な感度でアラートを設定することができます。AST によって設定済みのメトリックまたはベースラインの履歴データが提供されるため、アラート設定の影響を可視化できます。リモートサービスパラメータをモニターする正常性ルールを作成し、AST を使用して正常性ルールの感度を微調整するには、「正常性ルールの作成とメトリック評価の微調整」を参照してください。

フローマップでリモートサービスパフォーマンスを表示

指定した時間範囲に検出されたリモートサービスは、アプリケーション ダッシュボードのフローマップに表示されます。アプリケーション全体のトランザクションフローのコンテキストで表示できます。アプリケーション フローマップには、リモートサービスに対するコールの 1 分あたりのコール数および平均応答時間が表示されます。これらのメトリックには、特定のティアからすべてのビジネストランザクションにおけるサービスへの全コールが含まれます。ティアおよびノードフローマップは、それぞれのコンテキストで同じメトリックを表示します。

検出されたリモートサービスはティアフローマップに表示されます。この特定のティアのトラフィックのコンテキストで確認することができます。  

リモートサービスへのコールを含むビジネストランザクションの場合、サービスはビジネス トランザクション ダッシュボードのフローマップに表示されます。この特定のビジネストランザクションのトラフィックコンテキストで検出されたサービスを表示できます。トランザクション フローマップには、ビジネストランザクションのリモートサービスコールに使用した平均時間が表示されます。「フローマップ」を参照してください。

検出したリモートサービスの表示

リモートサービスリストには、KPI とともにすべての検出されたリモートサービスが表示されます。無効となったサービスは、構成可能な時間が経過すると削除されます。「無効なリモートサービスの削除」を参照してください。

リモートサービスリストから、サービスを選択して [View Dashboard] をクリックすると、リモート サービス ダッシュボードが表示されます。ダッシュボードには、データベースフローマップ、バックエンドプロパティ、キーパフォーマンスインジケータ(KPI)のグラフが表示されます。プロパティは、サービスの識別方法を示し、フローマップへの表示方法、およびメトリックの集計方法を決定します。ベースラインの説明と使用方法については、「動的ベースライン」を参照してください。

リモートサービスダッシュボードには、2つのタブとアクションオプションメニューがあります。

  • ダッシュボード:呼び出しを行うティアからリモートサービスへのトラフィック、自動検出と命名に使用されるバックエンドプロパティ、およびKPIを示すフローマップを表示。
  • [Slowest Remote Services Calls]:実行時間が最も長いサービスへのコールを、ティア別およびすべてのティアで最大 10 件まで一覧表示。 
  • アクションメニューから、バックエンドの名前の変更、バックエンドの削除、またはバックエンドをティアに転換することができます。

遅延リモートサービスコール

AppDynamicsでは、コールの詳細を含む最も遅いリモートサービスコールのリストを表示します。Troubleshoot > Slow Response Times > Slowest DB & Remote Service Calls タブをクリックすると、トラブルシューティングに役立つ特定のコールの詳細および関連するビジネス トランザクション スナップショットが表示されます。

[Slowest DB & Remote Service Calls] タブには、選択した時間範囲における最長実行時間のリモートサービスへのコールが、ティアごとおよびすべてのティアに対して関連メトリックとともに最大 10 件表示されます。 

[Max Time ] により、[Slowest DB & Remote Service Calls] リストに表示されるコールが決定します。[Max Time] は、最長時間が 50 ミリ秒を超過する必要があります。アプリケーションエージェントは、15分ごとにコールデータを集約してコントローラに報告します。

カスタム終了コールでクエリ、キュー、または URL が指定されていない場合、最も遅いサービスコールの詳細は表示されません。

データの解像度と保持

グラフに表示する期間、データの古さ、低速なリモートサービスコールのデータ解像度に応じて、グラフに 5 分、1 時間、12 時間の粒度でデータを表示できます。次の表は、各データ解像度期間のデータ保持を示しています。

1 日ごとに、2 つの 12 時間データ間隔([00:00 GMT, 12:00 GMT] と [12:00 GMT, 00:00 GMT])があります。

データ解像度データ保持
5 分6 時間
1 時間3 日
12 時間14 日

コントローラの他のメトリックのデータの解像度と保持については、「経時的なメトリックデータの精度」を参照してください。