マシンエージェントは、特定のオペレーティングシステムに適したデフォルトの拡張機能を使用してハードウェアメトリックを収集します。次の表に、メトリック収集拡張機能とそのサポートされている OS の情報を示します。一部の限定された状況では、デフォルトの収集拡張機能を変更することもできます。この表には、デフォルトの拡張機能を変更する最も一般的な理由が記載されています。

サポートされる環境、観測レート、設定可能性、一部のメトリック名、および定義は、拡張機能によって異なります。

OSデフォルトのメトリック収集拡張機能収集対象のメトリックデフォルトの拡張機能を変更する理由対応環境
Microsoft Windows
  • JavaHardwareMonitor (サーバの可視性が無効の場合)
  • ServerMonitoring(サーバの可視性が有効の場合)
  • 基本メトリック
  • サーバの可視性のメトリック
マシンエージェントの要件とサポートされる環境
LinuxServerMonitoring
  • 基本メトリック
  • サーバの可視性のメトリック

仮想ディスクおよび外部ネットワークトラフィックのメトリックをカスタマイズするため

マシンエージェントの要件とサポートされる環境
Solaris/SunOS
  • HardwareMonitorサーバの可視性が無効の場合)
  • ServerMonitoring(サーバの可視性が有効の場合)
  • 基本メトリック
  • サーバの可視性のメトリック

仮想ディスクおよび外部ネットワークトラフィックのメトリックをカスタマイズするため

マシンエージェントの要件とサポートされる環境
AIXJavaHardwareMonitor基本メトリックご使用の OS または Linux ディストリビューションで SIGAR(System Information Gatherer And Reporter)がサポートされていない

SIGAR

HP-UXJavaHardwareMonitor基本メトリックご使用の OS または Linux ディストリビューションで SIGAR がサポートされていないSIGAR   
Mac OS XJavaHardwareMonitor基本メトリックご使用の OS または Linux ディストリビューションで SIGAR がサポートされていないSIGAR  
Solaris
  • HardwareMonitor(サーバの可視性が無効の場合)
  • ServerMonitoring(サーバの可視性が有効の場合)
  • 基本メトリック
  • サーバの可視性のメトリック

仮想ディスクおよび外部ネットワークトラフィックのメトリックをカスタマイズするため

マシンエージェントの要件とサポートされる環境
(サマータイムに関係なく)サーバで時間の不一致が発生した場合、時刻が手動でリセットされると、マシンエージェントはレポートを停止します。この中断中、アプリケーションデータとサーバデータはレポートされません。モニタリングを続行するには、マシンエージェントを再起動する必要があります。

Java ハードウェアモニタ

JavaHardwareMonitor は、SIGAR(System Information Gatherer And Reporter)に基づきます。SIGAR は、基本ハードウェアメトリックを収集する従来の方法であり、4.1 より前のバージョンで、ServerMonitoring 拡張機能がサポートしていないオペレーティングシステムを実行するマシンに対して使用されます。ここでは、マシンメトリックを収集するために使用される拡張機能を変更するシナリオを示します。

仮想ディスクおよび外部ネットワークトラフィックのメトリックをカスタマイズする

デフォルトでは、マシンエージェントは、ネットワークマウントされたディスクとローカルディスクのメトリックのみをレポートします。さらに、外部ネットワークトラフィックのみが集約されます(以前のバージョンの AppDynamics との下位互換性を確保するため)。ServerMonitoring 拡張機能を使用するオペレーティングシステムでは、モニタ対象の特定のディスクとネットワーク インターフェイスを設定するために、JavaHardwareMonitor に変更できます。JavaHardwareMonitor メトリックの動作をカスタマイズするには、「仮想ディスクおよび外部ネットワークトラフィックのメトリックの設定(JavaHardwareMonitor 拡張機能のみ)」を参照してください。

メトリック観測レート

JavaHardwareMonitor は、2 つの異なる方法でメトリックの観測を行います。

  • ディスクメトリックおよびネットワークメトリックの場合:1 分あたりの 1 回の観測。メトリックブラウザでこれらのメトリックのカウントを表示すると、1 分あたり 1 というカウントが表示されます。たとえば、15 分の間隔を選択した場合、カウントは 1 の 15 倍 = 15 となります。
  • CPU メトリックおよびメモリメトリックの場合:2 秒ごとに 1 回の観測。これらのメトリックのカウントを表示すると、1 分あたり 30 というカウントが表示されます。たとえば、15 分の間隔を選択すると、カウントは 30 の 15 倍 = 450 となります。

JavaHardwareMonitor を使用した基本メトリックの収集

Linux および Windows マシンは、基本メトリックをレポートするために、デフォルトでは ServerMonitoring 拡張機能を使用します。ただし、サーバの可視性が有効になっている場合、JavaHardwareMonitor へのフォールバックは、基本ハードウェアメトリックの収集にのみ影響します。拡張されたサーバの可視性のメトリックは、ServerMonitoring 拡張機能によって引き続き正常に収集されます。

ServerMonitoring から JavaHardwareMonitor に変更する方法

  1. マシンエージェントを停止します。
  2. 基本 ServerMonitoring を無効にします。
    1. <machine_agent_home>/extensions/ServerMonitoring/conf/ から ServerMonitoring.yml ファイルを編集します。
    2. basicEnabled の値を「false」に変更します。
      basicEnabled 設定は、マシンエージェントが ServerMonitoring 拡張機能を使用して基本ハードウェアメトリックをレポートするかどうかを制御します。これを false に設定すると、JavaHardwareMonitor は従来の SIGAR ベースのレポートを使用して基本ハードウェアメトリックをレポートできるようになります。 
    3. ファイルを保存します。
  3. JavaHardwareMonitor を有効にします。
    1. <machine_agent_home>/monitors/JavaHardwareMonitor/ から monitor.xml を編集します。
      • Linux の場合は、次の行を削除します。<enable-override os-type="linux">false</enable-override>
      • Windows の場合は、次の行を削除します。<enable-override os-type="windows">false</enable-override>
    2. ファイルを保存します。
  4. マシンエージェントを再起動します。

ハードウェアモニタ

HardwareMonitor 拡張機能は、OS 固有のスクリプトの集合です。SunOS および Solaris マシンは、デフォルトでこの拡張機能を使用します。デフォルトで JavaHardwareMonitor を使用するオペレーティングシステムでは、OS 固有のモニタに切り替える必要があることがあります。JavaHardwareMonitor が統計情報のレポートに失敗し、次のようなエラーログが表示される場合は、OS 固有のモニタに切り替えることができます。

[Agent-Scheduler-1] 28 Nov 2013 13:13:55,435 ERROR SigarMinuteTask - Error fetching network statistics for interface [eth0:17]. Blacklisting it.
[Agent-Scheduler-1] 28 Nov 2013 13:13:55,435 ERROR SigarMinuteTask - Error fetching disk i/0 statistics for interface [eth0:17]. Blacklisting it.

HardwareMonitor を使用した基本ハードウェアメトリックの収集

JavaHardwareMonitor から OS 固有のモニタに変更する方法

  1. マシンエージェントを停止します。
  2. JavaHardwareMonitor を無効にします。
    1. <machine_agent_home>/monitors/JavaHardwareMonitor/ から monitor.xml を検索して編集します。
    2. <enabled>true</enabled> の値を <enabled>false</enabled> に変更します。
    3. ファイルを保存します。
  3. モニタする OS の HardwareMonitor を有効にします。
    1. <machine_agent_home>/monitors/HardwareMonitor/. から monitor.xml を編集します。
    2. <enabled>false</enabled> を <enabled>true</enabled> に変更します。
    3. ファイルを保存します。
  4. マシンエージェントを再起動します。

空きメモリメトリックの設定の変更

マシンエージェントのインストールで、メトリック収集に OS 固有の HardwareMonitor が使用されている場合、デフォルトでは、エージェントは、どのプロセスでも使用されておらず、I/O バッファまたはキャッシュにないメモリとして空きメモリをレポートします。空きメモリメトリックでは、I/O バッファまたはキャッシュにある一方で、新しいプロセスに対して使用できるメモリを含める方が便利です。

新しいプロセスに使用できる I/O バッファまたはキャッシュ内のメモリを含めるには、HardwareMonitor の設定を変更します。

  1. <machine_agent_home>/monitors/HardwareMonitor/config.sh を開きます。
  2. REPORT_MEMORY_FREE_AS_MEMORY_AVAILABLE を 1 に設定します。
  3. エージェントを再起動します。