このページでは、AppDynamics でのイベントモニターリングの概要について説明します。
AppDynamicsモデルでは、イベントはモニタリング対象アプリケーションの状態変化を表します。イベントは、アプリケーションで発生したエラー/例外、パフォーマンスしきい値の超過、または JVM 再始動といったアプリケーションの運用変更などを表す可能性があります。
イベントが発生した際に通知を生成したり、アクションを実行したりするためのいポリシーを定義しておくことができます。詳細については、アラートと応答を参照してください。また、イベントを使用してパフォーマンスの問題の背景にあるアプリケーションの問題を調査することもできます。
イベントの表示とモニタリング
コントローラ UI でイベントを表示および分析できます。UI の [Database Visibility]、[Server Visibility]、あるいはユーザ エクスペリエンス アプリケーションの各ページで、左側のナビゲーションツリーから [Events] をクリックするとイベントを表示できます。
コントローラには、AppDynamics に生成されたイベントのタイプのサブセットが表示されます。その他のイベントタイプには、REST API 経由でアクセスできます。内部イベントについて詳しくは、「
AppDynamics API」を参照してください。
アプリケーション モニターリングのイベントを表示するには、ビジネスアプリケーション、ビジネストランザクション、階層またはノードダッシュボードなどのダッシュボードにアクセスし、[Events] タブを選択します。タブには、選択したタイムフレーム内に生成されたイベントが表示されます。
[Events] リストでは、[Filters ] をクリックし、表示するイベントのタイプを選択することで、表示されるイベントのタイプをフィルタ処理できます。
リストではイベントの詳細を確認できます。アプリケーションの再始動など、アプリケーションの変更に関するイベントであれば、詳細にはそのイベントの説明が含まれます。トランザクションの遅延やエラーに関するイベントであれば、詳細はトランザクションのスナップショットとなり、そこから問題の根本原因にドリルダウンできます。
[Event Details] ダイアログから、ウォールームの開始、イベントの削除またはアーカイブ、アクションの実行テストを行えます。

イベントのアーカイブ
イベントは 2 週間後に消去され、その時点でアクセスできなくなります。このデフォルトのスナップショット存続期間よりも長くイベントを保存しておきたい場合(特定の問題に関連するイベントを将来の分析のために保持しておきたい場合など)は、イベントをアーカイブすることができます。
一次的な環境でのイベントの消去
一次的な環境でマシンインスタンスに展開されたノードに関連付けられているイベントは、消去の対象となります。これは、イベントに関連付けられたノードが、ノード名とマシンインスタンス名という 2 つの個別の部分で構成されるラベルによって識別されるためです。ノード名は常に固定ですが、一時的な環境ではマシンインスタンス名が変更されます。したがって、ノードを新しいマシンインスタンスに再度展開する際は、ノードを識別するラベルが変更されます。
たとえば、一時的な環境で、ノードのラベルが固定ノード名「Node1」とマシンインスタンス名「INSTANCE-M-T1」(NodeINSTANCE-M-T1)で構成されているとします。ノードが別のマシンインスタンスに再展開されると、新しいマシンインスタンスによってノードのラベルが「Node1INSTANCE-M-T2」などに変更されます。この場合、最初のラベル「NodeINSTANCE-M-T1」に関連付けられているイベントは後で消去される可能性があります。
デフォルトでアーカイブされるイベント
アプリケーション設定の変更イベントは、常にデフォルトでアーカイブされます。コントローラ UI では、これらのイベントは [Application Configuration Change] と表示されます。APPLICATION_CONFIG_CHANGE イベントタイプはコントローラ UI で表示でき、AppDynamics REST API でも取得できます。
ただし、APPLICATION_CONFIG_CHANGE
イベントがアーカイブまたは削除されると、それらのイベントは AppDynamics REST API から取得できなくなります。
手動でのイベントのアーカイブ
手動でイベントをアーカイブするには、次の手順を実行します。
- イベントリストからイベントを選択します。
- Actions > Archive Event をクリックします。
- Archive をクリックして、アクションを確認します。
右の列にあるアーカイブアイコン(
)は、イベントがアーカイブされていることを示します。たくさんのイベントの中からアーカイブされたイベントをすべて確認したいときは、この列ヘッダをクリックしてアーカイブでソートすることができます。これにより、アーカイブされたイベントがグループ化されます。
イベント保持期間の変更(オンプレミスコントローラ)
オンプレミスコントローラの場合、管理者は [Administration >Controller Settings] にある events.retention.period プロパティを構成することで、2 週間というデフォルトの期間を変更できます。
カスタムイベントのフィルタリング
AppDynamics REST API を使用すると、カスタムイベントを定義できます。次のようにカスタムフィルタを作成することによって、これらのイベントに対しフィルタ処理を行うことができます。
- [Events] ページでフィルタオプションを開きます。
- パネルの下部にある [Filter by Custom Events] セクションを見つけ、[Add Property]([+])をクリックします。
- [Add Custom Event Filter] ダイアログで、カスタムイベントタイプの名前を入力します。
- オプションで、キー/値のペアとしてイベントプロパティをフィルタ処理するように指定します。カスタムイベントには、フィルタを満たすために指定したプロパティ値が含まれている必要があります。複数のプロパティを追加した場合、照合値 All はリストに AND 演算子を適用します。つまり、フィルタを満たすには、すべてのプロパティが一致する必要があります。Any は論理 OR を意味します。つまり、フィルタを満たすには、少なくとも 1 つのプロパティが存在し、一致する必要があります。
